特定秘密保護法に反対!

 12月5日、参議院で特定秘密保護法が可決成立してしまいました。

 生活者ネットワークは市民の知る権利を保障するために、公的機関の情報公開を求めてきた立場から、本法案に一貫して反対を表明し、廃案を求めてきました。

 法律では、政府の説明責任の徹底と恣意性の排除、市民の知る権利の保障に係る実質的内容は不明確です。

 今必要なのは、「恣意性にまみれた、治安維持法にも匹敵する特定秘密保護法」などではなく、情報公開の確たる仕組みの推進です。

 特定秘密保護法とは、国にとって重要な情報を「特定秘密」に指定し、それを取り扱う人を調査、管理し、特定秘密を外部に知らせたり、外部から知ろうとする人などを処罰することによって特定秘密を守ろうとするもの。

 対象となり得る情報は、防衛、外交、スパイ活動防止、テロ活動防止の4分野です。しかし、特定秘密は「行政機関の長」が指定できることになっており、「対象分野は無制限」となること、「何が特定秘密であるかも秘密」とされることが危惧されます。

 情報の自由な流通を閉ざし、知らされることも未来永劫、自国の歴史を検証することもできず、憲法で保障されている知る権利は実質意味を失い、、市民主権もまた廃燼に帰すことになるでしょう。

 かつて「核を持ち込ませず」と謳った非核三原則にも関わらず、米国の情報公開によって白日の下に晒された「米軍核持ち込み容認」「沖縄密約情報」などを政府・外務省は「文書不存在」と抗弁し続け、「文書破棄」に至ったものとの事態がありました。政府や官僚を信頼しきることは到底不可能です。

 生活者ネットワークは、法案成立阻止をめざして遊説活動などを行いましたが、多くの国民の理解を得られぬまま法案は成立してしまいました。

 民主主義を、市民主権を殺さないために、私たちが戦後手にした平和憲法、すなわち立憲主義・国民主権・平和主義・基本的人権を守るために、今後もこの法律の行方を見守り反対し続けます。