日野市議会で平和安全法制の早期成立を求める意見書が賛成多数で可決
6月17日の日野市議会で「安全法制に関する意見書」が自民・公明・民主の賛成多数で可決され、国に意見書が送られました。
この意見書は、今国会で審議されている安全保障関連法案に関して、「国会審議の中で国民の理解を得る努力を図り、必要な審議が尽くされた際には、平和安全法制の早期の成立を図るよう」国に求める内容になっています。(「必要な審議」と「早期成立」は相矛盾するものではないでしょうか?)
提案理由の中で、「戦争をする国にしない」「紛争の未然防止」のためと説明していましたが、正に今回の法案はアメリカが攻撃を受けたら日本の自衛隊が攻撃できるようにする法案であり、日本がアメリカと一緒に武力行使を出来る国にするためのものです。
誰も戦争を望んでいないことは提案者の言う通りであると思いますが、戦争をしないため、紛争の未然防止(抑止力)をするためには、この法案を作らせないことこそが必要だと思います。
抑止力の考え方は核兵器の拡散でも実証されている通り、軍備の拡張に結びつきます。この法案は、アジアに更なる緊張関係を生み出してしまいます。安倍首相は自らの思想信条でいたずらに近隣国を刺激するのでなく、日本の平和という国益を考えて慎重に行動して欲しいと思います。平和は外交努力と信頼関係、対等な経済や文化、人々の結び付きで作られるものではないでしょうか?
戦後歴代内閣が築き上げてきた「集団的自衛権は憲法9条に違反する」との解釈を根底から崩すものであり、そのことの是非を国民の信を問うこともせずに、一内閣の解釈改憲の閣議決定、日米ガイドラインの改訂を国会審議に先立って行うという、国民軽視、国会軽視の中で進んできました。
多くの憲法学者が違憲であると発言し、歴代の大物政治家がこの法案に異議を唱えています。憲法の改正が必要となるような、今後の国の在り方を大きく変える重要な事柄について、まず国民的議論を喚起し、国民投票で国民に信を問うことが必要ではないでしょうか?
生活者ネットワークの吉岡なつえは、憲法を変えることができるのは国民だけであり、国家が解釈によって憲法を変えるのは民主主義の原則を壊している、昨年7月の閣議決定と今年4月の日米ガイドライン改訂の問題を指摘し、安倍首相の米議会での演説の和訳の問題点を上げ、堂々と国民に信を問うべきだと主張し、自民党議員の提出の意見書に反対しました。しかし残念ながら、賛成多数で可決されてしまいました。
都議会や八王子市議会では、慎重審議を求める意見書が民主会派から出されていますので、日野市議会から早期成立を求める意見書が送られたことは、日野市民として非常に残念です。
日野・生活者ネットワークは今後駅頭や市内遊説などを行い、安全保障関連法案の問題点を強く訴え運動を広げてゆきたいと考えます。
皆様のご意見をお寄せください。
日野・生活者ネットワーク代表 出沼恵美子