あれから一年

あの大震災と大津波と原発の大事故から一年が経とうとしています。
悲しく辛い体験をされた方々、今も辛い状況下におられる方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。

さて、私事ですが、かなり以前から「そろそろ戦後を卒業したい」と思い、「戦後でなくなるためにはどうしたらいいのだろう」と考えるようになっていました。新たな戦争なり第三次世界大戦なりに勝って日本が勝戦国になればいいわけですが、それは望む未来ではありません。「ではどうすればいいのだろう…。」

こんなことをずっと悩んでいたところ、昨年3月11日、我が国はこの未曾有の災害と事故にみまわれました。国家の危機管理能力が問われる大事です。が、その後の政府・官僚・マスコミ・経済界が取った言動・行動は、我が国の危機管理能力の無さを露呈しました。
国民を守るという最重要課題に目を向けてこなかった戦後の私たち。その無能な姿を目の当たりにし、「このままの社会でいいわけがない。」「これで、自立できずにいる日本の戦後を内側から終わらせられるかもしれない」と感じました。

悲しいかな実際は私が願った社会になかなか進んで行っていません。一年たった報道も感情的な部分に焦点をあてたものが多く、未だに誰も刑事責任を問われることもなく誰も責任を取らなくていい仕組みは結局戦後そのままです。よくわからないうちに瓦礫は全国へとばらまかれ、プルトニウム検出などの「不都合な真実」は何カ月後かにこっそりひっそり発表される現状。私たちはアンテナをはって、何が行なわれ何が隠されようとしているのかを見極める必要があります。

「原発」国民投票条例制定に向けての運動や、市民放射能測定場所の設置や、福島の子供たちの受け入れ活動など、民の側からの自発的な動きからは、お上に任せるだけではない自分たちの社会をつくるパワーを感じます。こうやって私たちは戦後とは違ったステージに立てるのかもしれません。

3月18日には女川からの瓦礫受け入れ・焼却についての地区説明会が開かれます。地域住民のみならず日野市民全員が知っておくべき内容と思われますので、ネット運営委員が説明会に参加する予定でいます。国や都や市が決める事をひとつひとつ自分たち自身の問題としてとらえて考えていくことが大切です。皆さまからも情報・意見等いただけるようお願いします。

日野・生活者ネットワーク副代表: 森 契子

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